文楽の写真、映像の使用について

人形浄瑠璃文楽が、2003年11月ユネスコの世界無形遺産の宣言を受けて以来、書籍や雑誌、ポスターやチラシにも取り上げていただく機会が増えてきたことを、我々は大変うれしく思うと同時に、疑問に思う使われ方を見ることもあります。

そこで、文楽の写真や映像を利用しようとお考えになっている皆様に、我々技芸員と撮影をする写真家の立場についてご理解いただき、正しくご利用していただけるように、利用の手引きをご案内申し上げます。

2005年9月

特定非営利活動法人人形浄瑠璃文楽座
著作権担当理事  桐竹勘十郎

技芸員の権利

文楽の実演の録音や録画物、写真には、文楽技芸員をはじめとして、その制作に関わった多くの人々の権利が存在しています。

特に、技芸員は実演家として肖像権とともに特別な権利(人格権、パブリシティ権、著作隣接権など)を有しています。技芸員の承諾なしに、勝手にその氏名を使用されたり、実演を撮影されたり、その写真を公表されたりしないということが法的に保護されています。

ここでは各々の権利についての説明は省略させていただきますが、いずれの権利についても、文楽の写真や映像を利用する場合には、技芸員の許諾が必要になります。

また、写真などを撮影した写真家や映像においては製作者が、基本的には著作権を有していますので、事前にそれぞれの権利者にお問い合わせください。

使用ソフトの種類について:写真

文楽の本公演(国立劇場および国立文楽劇場での公演)における舞台写真は、特定の写真家が技芸員および劇場の許諾を得て撮影を行い所蔵しているものと、劇場側の公演記録として撮影された記録用写真の2種類があります。

国立劇場および国立文楽劇場では、劇場内での閲覧においては一般に公開していますが、あくまでも記録を目的とした写真ですので、市販や出版物への掲載などについては、改めて技芸員の許諾を得る必要があります。

写真家所蔵の写真でも、公演記録の写真でも、技芸員が被写体となっている場合はもちろんのことですが、人形のみが被写体となっている場合にも該当する人形遣い(主遣い)の許諾が必要です。

なぜならば、人形遣いが遣っているからこそ人形の表情が写真にも映し出されているからです。特に文楽の舞台写真では人形が被写体になることが多いのですが、写真という一瞬の動きを捉えた中では、必ずしも人形遣いが考える最良の状態であるとは限りません。

広く販売や頒布されるものに使用されるのであれば、最高の状態で演じられて、最高の構図で撮影された写真を使っていただきたいと思うのが、技芸員全員の願いです。

使用ソフトの種類について:映像

文楽の舞台映像は大きく分けて、国立劇場の公演記録映像と、NHKの舞台中継番組の映像と二種類となります。

国立劇場の公演記録映像を他の目的に使用することは目的外使用になるので、現在のところ基本的に二次使用は認めていません。報道または教育を目的としている場合にのみ使用を許可する場合もありますので、必ず事前にお問い合わせください。

また、NHKもしくは他社の映像素材については、利用目的に問題がなく、出演する技芸員全員の許諾がとれれば使用は可能です。

使用ソフトの利用範囲

写真については、新聞、雑誌、書籍などの出版物における使用は概ね利用可能です。

しかし、写真、映像ともにデジタルデータでの使用については、その利用目的と利用者(データ管理責任者)などによって検討させていただいております。

デジタルデータでの使用を検討される場合は、なるべく早めにお問い合わせください。

問い合わせ・利用申請の窓口

特定非営利活動法人人形浄瑠璃文楽座(以下、NPO文楽座)は、技芸員全員が正会員として所属しており、肖像権や著作隣接権の管理、権利処理の窓口となっています。

使用したい写真や映像が決まり、その所蔵者から貸し出しを受けることが可能か、または手元にソフトを保有している場合には、NPO文楽座事務局にて利用申請を受け付けておりますので、必要書類をそろえて申請をお願いします。その後、申請書類をもとに、担当理事を通じて関係技芸員へ確認をとり「資料利用承諾書」を発行しております。

申請から回答をするまでに必要な日数は1週間程度を基本としておりますが、申請の内容によっては2週間以上かかる場合もあります。

NPO文楽座では、必ず関係権利者に確認をとったうえで権利処理を行いますので、関係技芸員が地方公演や海外公演、または休演であったり、稽古に集中している、など特別の事情によっても回答が遅れる場合もありますので、なるべくお早めにお問い合わせ・申請を行ってくださいますようお願いします。

なお、至急を要する利用申請については、その旨別途ご連絡をお願いします。

申請に必要な書類

資料利用申請書と使用写真のカラーコピーを同封のうえ郵送でご申請ください。FAX送信では写真が不鮮明になりますので受け付けておりません。また、すでにデジタルデータをお持ちの場合はE-mailでも申請可能です。

  • 資料利用申請書
    決まった書式はありませんので、下記必要項目を記載してください。
    また、申請の担当(制作会社や編集プロダクションなど)と利用責任者(出版発行元など)が異なる場合は、担当者の連絡先を必ず明記してください。なお承諾書の発行は利用責任者宛、使用料の請求は申請担当宛を基本としております。
    1. 利用媒体について
      媒体名(書籍名や掲載誌名など)、発行所、発行者、体裁(判型、ページ数など)、発行部数、発行日、販売価格、使用目的(掲載内容の説明、レイアウト案、デザイン案添付可)など
    2. 使用写真について
      所蔵者(撮影者)、演目名、収録劇場名、上演年月、出演者名(人形のみ場合は役名だけでも)
      ※国立劇場・国立文楽劇場所蔵の公演記録写真の場合は写真の番号を記載してください。
  • 使用写真のカラーコピー
申請書類送付先
〒542-0073 大阪市中央区日本橋1−5−6 北浦ビル1F
特定非営利活動法人人形浄瑠璃文楽座 事務局
E-mail:office@bunrakuza.com

使用料について

利用する媒体や、利用の目的などによって異なります。申請の内容を踏まえてその都度判断させていただきます。詳しくはNPO文楽座事務局にお問い合わせください。